2012年7月25日水曜日

本当はすごく身近な「収入印紙」

会社で仕事をしていると、色んな手続き関係を知ります。例えばNDAとか社判(丸印、角印)、契約書、手形、立替、領収書、交際費、内容証明などなど。普通に生活していると分からないですが、日本では経済活動をすると一般常識的に知る知識です。

そんなものの内の一つが印紙です。社会人になって間もなく、契約を交わす際に収入印紙を貼った時は、たまに金額の違う印紙を貼ってしまって担当部署に迷惑をかけたりしていたので、高度もなにもあったもんじゃありませんでしたが・・・。

意外に身近な収入印紙

というわけで、今日は、意外に身近な収入印紙発行の目的は印紙税を納めてもらうことです。収入印紙についてのあれこれです。まずはその発行目的からおさらいしましょう。そう、みなさんご存知のとおり、収入印紙一覧表は国税庁にありますので、ちょっと見てみましょう。

収入印紙なんて仕事以外でお目にかかる機会はないと思っていた方も、意外に身近な書類があることに気がつくのではないでしょうか。「まずいっ!預金通帳に収入印紙貼ってない。」と慌てる方や「毎日買い物するスーパーで領収書もらっているけど、いちいち収入印紙なんて貼らないわ。」と疑問に思う方もいるかもしれません。

ご安心ください。収入印紙を貼らないといけないのは、原則として文書を作成した人になります。つまり、預金通帳で言えば、預金通帳を作成した銀行が収入印紙を貼らなければならないのです。となると、銀行では振込手数料が3万円を境に高くなる理由も想像ができるのではないでしょうか。そう、3万円以上だと200円の収入印紙が必要になるからです。

例えば、銀行の人は振込用紙を渡すと銀行の窓口で振込する時のことを思い返してみましょう。銀行にお金と振込用紙の控えを返してくれますね。これが金銭の受取書に該当します。ATMでも同様です。ATMから出てきた用紙を見てみると端の方に『印紙税申告納付につき○○税務署承認済』と書いてあるはずなので、次回確認してみてください。

つまり、銀行のように文書を作成するところは、自分で作成した文書の数を税務署に報告してまとめて印紙税を納めているため、申告納付となるわけです。このように、意識していなくとも、私達は収入印紙と日々関わりながら生活しているのです。

収入印紙を貼らないことで起きる問題は?

では、もし収入印紙を貼らないといけない文書に収入印紙を貼らなかったらどうなるでしょうか?問題は2つ考えられそうです。まず、前者の文書の有効性、もうひとつは印紙税法での罰則です。1つは文書の有効性ですが、意外なことに収入印紙を貼っているか否かとは関係がありません。

しかし、当然、印紙税法を違反していることにはなります。収入印紙を貼っていなかったことが税務署に知られた場合、本来納めるべき収入印紙の額の3倍の税金を納めなければなりません。この3倍の税金のことを過怠税といいますが、このような罰則を受けるのは稀。実際は、自主的に申し出すれば1.1倍の過怠税でいいとされているようです。

もちろん、見つかったわけですから、自主的に収入印紙を貼っていませんが、3倍の過怠税をかけるには税務署もだいぶ詳細に調べないといけないらしく、反省して自主的もなにもありませんでしたと申し出るような人は1.1倍でいいよという風に運用しているというのが実際のようです。

収入印紙を節約する方法

ところで、払うべきものは払わなくてはなりません。であれば、1通の領収書の場合、3万円未満は収入印紙が必要ありませんが、できる節税はしたいもの。例えば、領収書の金額が3万円未満になるように分けて処理したらいいのでは・・・とは、誰しも思いつきそうなものです。しかし、領収書を受け取る相手からしたら面倒ですし、そこまでしたら信頼を失う可能性もあります。

よりスマートな方法として、お互いに契約書などをパソコン上で保存し、紙ベースの書類を作らないという方法があります。実際に『書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律』により、今までは紙ベースでの手続きが必要だったものが、パソコン上のファイルでもOKになったものもあります。領収書も支払先に銀行振込にしてもらえるようにお願いすれば領収書の発行は必要ありません。

仕事で何気なく関わっているようで知らないことっていろいろとありますよね。たまにはこうしてひとつひとつ理解を深めるのも、仕事の質をさらに上げるのに役立ちそうですね。